肥料学 畜学 思考学 畜物語
What Endings Feed

肥料学

枯れた木を弔うためでなく、次の芽の糧にするために。
なぜ死んだかを記さねば、同じ場所でまた枯れる。

六つ目の蔵

畜史が成りしものを録し、思考学が曲がった判断を録すなら、肥料学はなぜ死んだかを録す。

木を伐るとき、理由を言葉にせず消せば、同じ根から同じ失敗がまた芽吹く。枯れた木を土に還し、次の芽の糧に変えるのが、この書の役目。

廿式
どう作るのか
鳴分岐
思→鳴をどう分けるのか
示式
設計書をどう作り回すのか
遊戯学
なぜ作るのか
設計学
どの高さから作るのか
畜史
何を作ったのか
思考学
どう考えたのか
肥料学
なぜ終えたのか
技術学
何で作るのか
祖元学
そもそも、なぜこの形か
標準学
何を土台に選ぶのか
畜物語
作品の森そのもの

巻零 ─ なぜ死因を記録すると次が育つのか:「ナイス失敗」の知的創造サイクル

肥料学がやっていることは、この四段の輪を回すことに他ならない。①→②→③→④→また①へ、と周回する。

意思に基づくチャレンジ

畜学七相に沿って「この世にまだ無い遊び」を狙い、新しい木を建てて公開する行為そのもの。何となく作るのではなく、狙いを持って賭けること。

失敗(暗黙知の蓄積)

公開した木が死ぬ瞬間。なぜ死んだかという経験は、まだ暗黙知(言葉になっていない、作り手の勘や後味の中にしかない知識)としてしか存在しない。ここで何も書かずに消せば、暗黙知は誰にも取り出せないまま土の中に埋もれる。

何を学んだのか?(暗黙知の形式知化)

巻一の手順(理由を言い切る・死因を分類する・横展開で確かめる・この書に記録する)は、まさにこの暗黙知を形式知(誰が読んでも再現できる言葉)へ変換する工程そのもの。「分からない」と正直に書くこともここに含まれる。

次のチャレンジへ

巻二に記録された教訓が、次の①の材料になる。こっこマッチ→ブランコ、mori2→shima2、battle→smashなど、巻二の記録はすべてこの輪を一周した実例。次の頭は形式知を読むだけで、暗黙知をゼロから失敗して再発見せずに済む。

肥料学が「弔いの書」でなく「次の芽の糧」である理由はここにある。死因を書かずに消せば輪は②で止まり、同じ暗黙知を次の頭がまた一から失敗して再発見するしかない。書けば③→④とつながり、輪が回り続ける。

ただしこの輪には裏面がある。AIは肥料学に書かれた記録を、良い記録も悪い記録も区別せず同じ信頼度で一瞬に取り込む。人間の同僚の昔話なら多少疑って聞くが、記憶を持たないこっこ(Claude)はそうした懐疑を自動では持たない。正直な記録(「分からない」と書くことも含む)は③として次の判断を正しく助けるが、推測で埋めた記録(証拠のない死因の捏造)もまったく同じ信頼度で取り込まれ、間違った前例として次の判断を誤らせる。つまり肥料学のが資産になるか負債になるかは、量そのものでなく記録する瞬間の誠実さだけで決まる。「分からないなら分からないと正直に書く」は美徳でなく、量を安全に積み上げるための技術的な必須要件である。

巻一 ─ 標準手順(木を伐るときの再現レシピ)

ゲームを削除・終了するたびに、必ずこの順で行うこと。飛ばすと、次の頭が同じ場所でまた枯らす。

伐る前に、理由を一行で言い切る

「なぜ終えるのか」を、ユーザーの言葉のまま・推測を混ぜずに書き出す。理由が自分でも曖昧なら、曖昧なまま消さず、まず本人に確かめる。

死因を分類する

七相違反/技術的死因/設計思想の継承・整理/運用都合/記録なし──のどれかに当てはめる。当てはまらない・分からないときは「分からない」と正直に書く。証拠のない推測を教訓として残さない。

横展開して、同じ死因を持つ現存作が無いか調べる

ここが核心。死因を記録する目的は弔いでなく、同じ轍を他の木・次の木で二度と踏まないこと。同じ外部依存・同じ精度ミス・同じジャンルの焼き直しが他に残っていないか、実際にコードを見て確かめる。

この書(肥料学)に記録する

名前・パス・生没・死因の分類・具体的な症状・教訓(次への一行)・何を継いだかを書く。分からないなら「分からない」と書く方が、無い理由を捏造するより安全。

畜史に end タグで訃報を記す

遊び手への文面は既存の型を踏襲。畜史は遊び手へのお詫び、肥料学は次のAIへの教訓──書く相手が違う。両方書く。

実体を消し、目録を編み直す

トップ index.html・sitemap.xml・sw.js のキャッシュ一覧からリンクを外し、ゲーム本体を削除する。

継として還す

コミット&push → mainへPR作成。マージはユーザーに委ねる(自分で押さない)。

死因の分類

当てはまらない・分からないときは「分からない」と書く。無い理由を捏造しない。

分類具体例
畜学七相違反壱=既存ジャンルの焼き直し/弐=底が無い/参=終わりが罰/四=順位争いの祭壇/五=親子の的を外す/六=相手を敵にする/七=一器に納まらない(外部依存)
技術的死因外部エンジン依存、シェーダ精度不統一などによるプラットフォーム起動不能、パフォーマンス、致命的バグの放置
設計思想の継承・整理前作の願い・動詞を別の木へ引き継ぐための取り下げ(焼き直しでなく発展的解消)
運用都合コスト・要望・その他、遊びの設計とは別の理由
記録なし当時、死因を言葉にしないまま終えた

巻二 ─ 死んだ木の記録

実際に消えた木から、何を学べるか。同じ形の死に方をしそうになったら、まずここを読む。

既視の禁(壱)違反

一・こっこマッチ(マッチ3 / /match/)

死因:既存ジャンル(マッチ3)の焼き直し。畜学七相の壱「既視の禁」に真っ向から反していた。蔵を読まずに作ってしまった一作。

教訓:新作着手前に「この世にまだ無い遊びか」を確かめる一次チェックを、設計手順の先頭に固定する。

継いだもの:親子で交互にこぐ「コッコブランコ(/buranko/)」に作り直して置き換えた。

一器に納む(七)違反/精度不統一

二・島ぐらし2(こっこの森2 / /mori2/)

死因:Three.js(外部エンジン)依存+地形シェーダの精度が頂点側highp・フラグメント側mediumpとズレ、精度に厳格なiOSでリンク失敗→起動停止。公開から3日で取り下げ。

教訓:「一器に納む」は比喩でなく実務の制約。全シェーダの precision は頂点・フラグメントとも highp に統一する。

継いだもの:外部依存ゼロ・精度統一・新しいパス「/shima2/」として建て直した(死んだ木の上には建てない)。

記録なし

三・コッコキズナ(親子の縁 / /kizuna/)

死因:畜史の訃報はお詫び文のみで、技術的原因も七相違反も明記されていない。後から死因を検証できない。

教訓:理由を書かずに終えると、次の頭は「同じ失敗を避けられたか」を永遠に確かめられなくなる──これが肥料学という書そのものを作った動機。

継いだもの:「親子で息を合わせる」という願いは、コッコブランコ・学習シリーズにかたちを変えて受け継がれたと畜史に明記されている。

記録なし

四・記録の空白 ─ ぶらんこ/積む/振る/傾け/奥へ/合体

死因:すべて訃報はあるが、技術的死因・七相違反の記載が無い。振る・傾け・奥へは近い構造(Z軸の奥へ進む)の作品が短期間に並んで終了しているが、その判断は畜史に記録されておらず、推測を教訓として書くことはしない。

教訓:死因を書かずに消した木は、後から横展開で確かめられない。肥料学が生まれる前の削除には、この確認ができていない可能性がある──新しい削除では巻一の手順を必ず踏み、この空白を今後は作らない。

設計思想の継承・整理

五・対戦(コッコランブル / /battle/)

死因:「smashに発展的に引き継がれたため」(ユーザーの言葉)。後発の「コッコスマッシュ SPECIAL(/smash/)」がbattleの欠け(キャラ選択なし・ため無し・回避無し・ガケ無し・固定カメラ・祭壇なし・時間無制限)を埋める続編として建てられ、以降smash側だけに改修が積み重なりbattleは初版のまま更新停止。smashがbattleの完全上位互換に育った時点で閉じた。

教訓:続編が前作の完全上位互換に育ったら、両方を残したままにせず閉じる判断をする。焼き直しでなく発展的解消であることを畜史・肥料学の両方に明記する。横展開でgp/gp2・rescue/rescue2・splat/splat3d・mori/shima2も確認したが、同じ死因(前作が続編の完全下位互換になり更新停止)を持つ現存作は見当たらなかった。

継いだもの:「ふっとばし対戦」というジャンル・動詞は「コッコスマッシュ SPECIAL(/smash/)」にすべて継承済み。世界ランキングもrankings/smashに一本化されている。

既視の禁(壱)違反

六・はじく(コッコポップ / /pop/)

死因:「既視の禁違反(既存ジャンルの焼き直し)」(ユーザーの言葉)。同じ色のこっこちゃんをタップで一掃するルールは、いわゆる同色つぶし(SameGame/Bejeweled系のタップ消去)パズルの焼き直しで、畜学七相の壱に反する。

教訓:「同色を消す・つなぐ」動詞は既に一般的なジャンルの型であり、着手前に必ず畜物語の他作と被っていないか一次チェックする。こっこマッチと根が同じ死因で、繰り返し起こりうる死因として要警戒。

横展開:`link`(同じ色をなぞってつなげてポン)・`bubble`(同じ色をくっつけて弾くバブルシューター)・`koro`(同じこっこを合体させるスイカゲーム系)が現存する。特に`link`は`pop`と動詞レベルでかなり近く、将来同じ死因を問われうる要注意先として記録した(今回は削除対象外)。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無く、焼き直しジャンルを単純に退場させた。

分からない

七・熱狂(コッコフィーバー / /fever/)

死因:ユーザーの言葉は「つまんない」のみ。七相違反・技術的死因のどれに当てはまるか確認したが、ユーザー自身も「分からない(推測しない)」と回答した。具体的な技術的原因も七相の何に反するかも特定できていない。

教訓:「つまらない」という主観評価は、必ずしも畜学七相のどれかに機械的に対応するとは限らない。無理に分類へ押し込めず、分からないものは分からないと書く方が、次の頭にとって安全な記録になる。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

八・回避(コッコグレイズ / /graze/)

死因:「既視の禁違反(既存ジャンルの焼き直し)」(ユーザーの言葉)。弾をかすめて倍率を上げ、ワンミスで即終了する高スコア弾幕回避は、既存の弾幕シューティング・避けゲーの焼き直しで、畜学七相の壱に反する。

教訓:「避ける」動詞自体は畜物語で使われてきたが、動詞の粒度だけでなく"弾をかすめて倍率が上がる"という報酬・演出の仕組みの粒度でも既存ジャンルの模倣になっていないか確認する必要がある。

横展開:`invaders`(迎撃シューティング)・`galaxy`/`pulse`(自動ショット+回避の複合ジャンル)を確認したが、同一の"かすめて倍率"機構は無く、同じ死因を持つ現存作は見当たらなかった。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無く、焼き直しジャンルを単純に退場させた。

運用都合

九・銀河(コッコギャラクシー / /galaxy/)

死因:「人気がなかった」(ユーザーの言葉)。七相違反や技術的死因ではなく、遊びの設計そのものとは別の運用上の理由による取り下げ。

教訓:「人気がなかった」はコードを読んでも再現できない死因であり、無理に技術的な理由へこじつけずそのまま記録する。技術学にはgalaxyのWebGL実装(2.5D・GPUインスタンシングの実例)がカタログとして残っており、実装パターン自体はgalaxy消滅後も参照可能。

横展開:運用都合(人気の有無)はコード上の症状として検出できる性質のものではないため、有効な横展開はできなかった。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十・こっこビート(音ゲー / /beat/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。七章・熱狂(つまらない)と九章・銀河(人気がなかった)の両方の理由が重なって挙げられたが、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:主観評価(つまらない)と運用実績(人気がない)は別の軸だが同時に語られることがある。どちらも機械的な七相違反には対応しないため、推測で捏造せず両方をそのまま記録する。

横展開:`pulse`(3Dリズムシューティング)・`echo`(まねっこコール&レスポンス)が同じ「音ゲー」の大枠に現存するが、いずれもZ軸シューティングや記憶再生の固有の仕掛けを持ち、beatの「左右タップでキャッチ」というシンプルな構造とは異なる。同じ死因を持つ現存作は見当たらなかったが、次に音ゲー系へ手を入れる際は本記録を読み返すこと。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

十一・こっこバブル(ねらう / /bubble/)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。同じ色を3つ以上くっつけて弾く連鎖バブルシューターは既存のバブルシューター系の焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:この死因は予見済みだった。六章の記録時点ですでに`bubble`を`link`と並ぶ要注意先として明記しており、実際にその通り既視の禁で終了した。要注意先は記録するだけでなく、次に手を入れる前に読み返す運用まで含めて「横展開」と呼ぶべきだった。

横展開:`link`(なぞってつなげてポン)・`koro`(合体させるスイカゲーム系)が現存する。`link`は動詞レベルでbubble・popと近く、引き続き要注意先として記録する。次に同ジャンルへ手を伸ばす前には必ず実装を読み直すこと。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十二・こっこパルス(律動 / /pulse/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・こっこビートと全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:この死因は予見済みだった。十章のbeat削除時点で「pulse・echoは同じ『音ゲー』の大枠で並走している」と要注意先に明記していたにもかかわらず、実際に見直す前にpulse自身がbeatと全く同じ死因で終了した。「音ゲー」大枠が構造的に人気が出にくい可能性を示す2件目の実例。

横展開:同じ「音ゲー」大枠に`echo`(まねっこコール&レスポンス)が現存する。beat・pulseと2件連続で同じ死因が出ている以上、echoは次に手を入れる前に必ず実装とプレイ感を見直すべき最重要要注意先として記録する。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

十三・こっこコロコロ(合体 / /koro/)

死因:「既視感がある(スイカゲーム系の焼き直し)」(ユーザーの言葉)。同じこっこをくっつけて合体させ育てるルールはスイカゲーム系の焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:この死因も予見済みだった。十一章の記録時点ですでにkoroをlinkと並ぶ要注意先として明記しており、実際にその通り既視の禁で終了した。六章(pop)→十一章(bubble)→十三章(koro)と3件連続の予見的中──要注意先は次の削除依頼を待たず能動的に見直す運用を確立すべき段階に来ている。

横展開:`link`(同じ色をなぞってつなげてポン)が同じ「同色・同種を消す/くっつける」型に残る最後の1件。次に手を入れる前には必ず本記録(六・十一・十三章)を読み直すこと。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十四・コッコおりづる(おりづる / /origami/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:十章・十二章とは異なり、この死因は予見できていなかった。origamiは「音ゲー」大枠ではなく折り鶴を折る独自の動詞を持つ作品で、ジャンル横断の予見はここには効かなかった。「つまらない・人気がない」はジャンル固有でなく、ジャンルをまたいで繰り返し起こりうる死因として扱うべき段階に来ている。次にどのジャンルで新作を作るときも「この動詞は本当に面白いと確信できるか」を一次チェックに加えるべき。

横展開:親子で同時に指を使う仕組みを持つ`yubikiri`が動詞レベルで近く、要注意先として記録する。十二章で最重要要注意先とした`echo`も未着手のまま残っており、3件連続の同じ死因を踏まえ点検を優先すること。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十五・コッコ縁波(縁波 / /ennami/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章・十四章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:この死因は予見済みだった。十四章の時点でyubikiriを要注意先に挙げていたが、ennami自身は「親は上の波・子は下の波を二本の指で同時に合わせる」というorigamiより直接的な親子二本指の動詞で、本来はyubikiriと並ぶ最有力の要注意先として名指しすべきだった。beat→pulse→origami→ennamiと4件連続で異なる動詞・ジャンルにまたがって同じ死因が発生しており、単一ジャンルの弱さでは説明がつかない構造的な死因である可能性を検討すべき段階。

横展開:yubikiriがennamiと最も近い現存作であり、重ねて最有力の要注意先とする。echoとあわせ次の点検対象は2件に絞られた。origami・ennamiはいずれも一台の画面を親子二人で同時に操作する設計だった点が共通しており、単独プレイで成立しない仕組み自体が人気の妨げになっていないか、yubikiri点検時にあわせて検討する(三章・コッコキズナにも同種の先例あり)。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十六・コッコダイブ(遊ぶ / /dive/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章・十四章・十五章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:十五章で立てた「一台を親子二人で同時に操作する設計が人気の妨げでは」という仮説はdiveには当てはまらない。diveは単独プレイのZ軸シューティングで、二人同時操作の要素を持たない。単独/二人の別を問わず5件連続で同じ死因が発生した以上、個別の仮説(音ゲー大枠・二人同時操作)だけでは説明が不十分であり、「つまらない・人気がない」が動詞・人数構成を問わず畜物語全体で繰り返し起こりうると認識を改める必要がある。

横展開:同じ「Z軸の奥へ進む」構造は四章(振る・傾け・奥へ、記録なし)とも共通する。シューティング大枠には`invaders`が現存し、四・八・九章とあわせ、シューティング系は人気が伸び悩みやすいジャンルである可能性がある。yubikiri・echoの点検も引き続き優先課題。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない/運用都合

十七・島ぐらし2 ななつの夜明け(SHIMA2 / /shima2/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章・十四章・十五章・十六章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:shima2は二章(mori2)の技術的死因を踏まえ外部依存ゼロ・precision統一で建て直された後継作で、技術面では正しく教訓を継いでいた。にもかかわらず死因は技術面と無関係な「つまらない・人気がない」だった。技術的に正しく建て直した木でも遊びとして面白いかは別問題であり、技術学的な健全さと遊び手にとっての面白さは別の軸である。beat〜diveが軽量な単ファイルの遊びだったのに対しshima2はリアルタイム3D・7日間の育成システムを持つ作り込みの厚い作品で、死因が作り込みの厚さとも無関係に起こることを示す6件目の実例。

横展開:`mori`(島ぐらし、時間無制限)はshima2の対になる無印作として独立して現存を継続する。二章の技術的教訓(外部依存ゼロ・precision統一)は既に畜物語全体の実装規約として定着しており失われない。yubikiri・echoの点検、シューティング系の見直しはいずれも未着手。「つまらない・人気がない」がここまで多く発生していることを踏まえ、次に新作を企画する際は着手前に本記録(十・十二・十四・十五・十六・十七章)を読み、同じ死因を避けられる根拠を持てるかを一次チェックに加えるべき段階に来ている。

継いだもの:`mori`は独立して現存を継続。二章の技術的知見は畜物語全体の実装規約として既に定着しており、shima2の削除とは切り離して継承済み。

既視の禁(壱)違反

十八・コッコスプラット(塗る / /splat/)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。インクを塗って陣地を広げる2D陣取りアクションは既存の陣取りシューティング(Splatoon系)の焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:この死因は畜物語自身がすでに文書で認めていた。後継作「コッコ芽吹き(/mebuki/)」の畜史には『塗る3D(/splat3d/)はスプラのパクリだから畜学に違反する』というユーザーの言葉が明記され、splat3dが壱違反であることは公式に認められていたが、splat3d自体は削除・改修されず、壱に違反しない別動詞のmebukiだけを並走させる判断がすでに下されていた。今回2D版のsplatだけを既視の禁で削除する一方、3D版のsplat3dは全く同じ死因を抱えたまま現存しており、削除の整合性を欠く状態になっている。

横展開:`splat3d`が最重要の要注意先。壱違反である旨は記録済みだが削除も動詞の差し替えも行われていない。次にsplat3dへ手を入れる、または本記録を読む機会があれば、①壱違反として同様に削除するか、②mebukiへの完全な役割移管をもって発展的解消(五章・battle→smashと同型)とするか、正論蒔宿に確認し判断を仰ぐこと。

継いだもの:特になし。3D版(splat3d)とmebukiの関係は未整理のまま残っている。

分からない/運用都合

十九・コッコゆびきり(YUBIKIRI / /yubikiri/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章・十四章・十五章・十六章・十七章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:この死因は二重に予見済みだった。十四章・十五章で繰り返しyubikiriを要注意先に挙げていたにもかかわらず、実際に見直す前にyubikiri自身がorigami・ennamiと全く同じ死因で終了した。origami→ennami→yubikiriと『一台を親子二人で同時に操作する』動詞を持つ3作が全て同じ死因で消え、十五章の仮説はもはや実証済みのパターンとして扱うべき段階に来ている。

横展開:親子二人同時操作を中心動詞とする現存作は今回で畜物語から一掃された。echo(単独プレイ)の点検がbeat・pulse系列最後の要注意先として最優先で残る。「つまらない・人気がない」が巻二だけで7件に達しており、次の新作は着手前に本記録群を読み設計の起点に置くべき。

継いだもの:特になし。「親子で息を合わせる」という願いは三章(コッコキズナ)以来、単独プレイの仕組みへ形を変えて既に受け継がれており、二人同時操作という動詞自体を再び追う必要は無いと判断できる。

分からない/運用都合

二十・コッコROM(圧縮 / /rom/)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十章・十二章・十四章・十五章・十六章・十七章・十九章と全く同じ理由の重なり方で、七相違反や具体的な技術的原因には対応しない。

教訓:romは親子二人同時操作系列にも音ゲー系列にもシューティング系列にも属さない、単独プレイの新規動詞パズルだった。十六章(dive)で示した「単独/二人を問わず同じ死因が起こりうる」という認識が、パズル系にも及ぶことがここで裏づけられた。巻二だけで8件に達し、ジャンル・人数構成・動詞を問わず発生している以上、個別の系列仮説で説明を打ち切らず、畜物語全体の新作着手フローに「この動詞は本当に面白いと確信できるか」を確かめる工程を組み込むべき段階に来ている。

横展開:直接同型の現存作は見当たらないが、単独プレイの新規動詞パズルという括りでは`link`が近く、次に手を入れる前に見直しを検討すること。echoの点検は依然として最優先。次の新作は着手前に十・十二・十四・十五・十六・十七・十九・二十章を読むこと。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

二十一・学習シリーズ8作(天秤・継・大河・地球・元素・生命・英語・絵文字英語)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。天秤・継・大河・地球・元素・生命・英語・絵文字英語の8作はいずれも「問いと正解候補を提示し選ぶ/結ぶ」という同一の当たり判定を科目だけ差し替えて8回繰り返した構成で、既存のフラッシュカード・クイズアプリの焼き直し。七相の壱に反する。

教訓:三章(コッコキズナ)・十九章(yubikiri)は「親子で息を合わせる」願いが学習シリーズに受け継がれたと記していたが、その学習シリーズ自体が今回終了し、既に死んでいたコッコブランコ(四章)とあわせ、継承先はこの記録の時点でどちらも現存しなくなった。「継いだもの」として名指しした作品が生きているかは、新しい削除のたびに再確認する必要がある。8作という規模で同じ当たり判定構造を横展開したこと自体、「動詞を変えれば壱違反を回避できる」という誤解の表れだった可能性がある。

横展開:同じ「問いと正解候補を提示し選ぶ/結ぶ」構造を持つ現存作は見当たらず、このジャンル全体が畜物語から一掃された。「親子で息を合わせる」というキズナ由来の願いも、現時点で明確な継承先が無い状態になった。

継いだもの:特になし。三章・十九章に記された「願いの継承」は、この記録の時点で継承先が失われたことを明記しておく。

既視の禁(壱)違反

二十二・コッコ・インベーダー(迎撃 / /invaders/)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。隊列で迫る敵を撃ち落とす固定画面シューティングはインベーダーゲームそのものの焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:invadersは四・八・九・十六・十八章とシューティング系の要注意先として繰り返し名指しされながら、実際の壱違反の有無までは確認されていなかった。今回自身が壱違反として終了したことで、予見に留まっていた懸念が初めて具体的な死因として実証された。名指しするだけで終わらせず実際に確認する横展開の徹底が課題として浮かび上がっている。

横展開:invadersの削除により、畜物語に「シューティング」を主軸とするジャンルの現存作は無くなった。四・八・九・十六・十八章のシューティング系見直し課題はこれで実質的に解消された。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

二十三・こっこポコポコ(穴あき / /poko/)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。穴から顔を出すこっこちゃんをタッチして集めるルールは既存のモグラ叩き系タッチゲームの焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:独自の絵柄・演出をまとっていても、根底の当たり判定構造(ランダムな位置に一瞬現れる的をタップする)が既存ジャンルと同型なら壱違反になる。二十一章で得た「表面の動詞でなく当たり判定の骨格を見る」教訓がここでも同じ形で当てはまる実例。

横展開:同じ構造を持つ現存作は見当たらなかった。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

既視の禁(壱)違反

二十四・コッコエコー(まねっこ / /echo/)

死因:「既視感がある(焼き直し)」(ユーザーの言葉)。歌う順番をまねして打ち返すコール&レスポンスはSimon系記憶再生ゲームの焼き直しで、七相の壱に反する。

教訓:echoは十二章以来beat・pulseと同じ「音ゲー」大枠の最重要要注意先として、死因は「つまらない・人気がない」になるだろうと予見されていたが、実際は既視の禁違反だった。「同じジャンルは同じ死因で死ぬはず」という推測は死因のカテゴリまでは的中させられない場合があるという限界がここで明らかになった。

横展開:同じ記憶再生型の現存作は見当たらない。音ゲー大枠の要注意先(beat・pulse・echo)はこれで全て退場した。

継いだもの:特になし。後継作の指定は無い。

分からない+運用都合

二十五・七作同時終了(たまご・むれ・ひびき・かげふみ・シン島ぐらし・しおさい・すみか)

死因:「つまらない・人気がない」(ユーザーの言葉)。十・十二・十四・十五・十六・十七・十九・二十章と同じ理由の重なり方で、七相違反にも具体的な技術的原因にも対応しない。七作が一度の指示でまとめて終わった。「しおさい2」を残すかは実際に確認し、残すとの明示的な指定を得ている。

教訓(一)カーネル三書を正しく通した木も、同じ死因で死んだ。 たまごは畜史に「廿式→鳴分岐→示式を順に通し、設計書を一枚作り切ってから実装に降りた」と明記された木で、ヘッドレス実プレイ21項目の検証まで済ませ、構造的欠陥を勘でなく実測で潰してから公開している。むれも設計書を通し、すみかは廿式の新しい式(赦・器の階層・住)を初めて遊びに降ろし、ひびきは縁=衡+∿衡− の ∿ そのものを中心動詞にした。手順にも掟にも検証にも落ち度が見当たらない七作が、まとめて「つまらない」で終わった。カーネル三書は「掟に反していないこと」を保証するが、「面白いこと」は保証しない。前者を通したことを後者の根拠にしてはならない。

教訓(二)二十章で立てた課題を未着手のまま放置した代償が、七作分まとめて現れた。 二十章は「新作着手フローそのものに『この動詞は本当に面白いと確信できるか』を確かめる工程を組み込むべき段階に来ている。具体策は今後詰める」と書いて終わっていた。その工程は組み込まれないまま新作が作られ続け、本章で七作が同時に退場し、巻二の「つまらない・人気がない」は8件から15件へ増えて過半を占めるに至った。次に新作へ着手する前に片づけるべきは、掟の理解でも技術でもなく、この「面白さを公開前に確かめる工程」ただ一つ。記録に「今後詰める」と書いて周回を終えることが、そのまま次の七作の死因になり得る。

教訓(三)島ぐらし系は、後継が二代続けて死に、初代だけが生き残った。 mori(初代)→ shima2(十七章で終了)→ shinshima(本章で終了)。技術的にはあとの世代ほど正しく美しくなっている(shinshimaは平面リフレクション+インスタンシング草原の3D)のに、死んだのは新しい二代のほうだった。同じ主題を作り直すとき、直す先を「描画の質」に置き続けても死因は動かない。

教訓(四)「戒め」として名指しされた木が死んでも、戒めは残す。 kagefumiは「示式を飛ばしたため鳴分岐が一度も発動せず、読んだだけのラベルに終わった」実例として名指しされている木。その当事者が退場したが記述は消さない。事例の価値は木の生死と無関係で、むしろ「飛ばして建てた木は結局残らなかった」という後日談が付いた分だけ強くなる。

教訓(五)技術と設計書は、木が枯れても残る。 mureの「角の散らし」とshinshimaの平面リフレクションは技術学にレシピとして記録済みで、本体を消してもレシピは残る。tsuriaiは現にshinshimaの影マップの型を引き継いだまま動いている=実装の親が死んでも子は動く。要件定義書も残す。ただし技術学は「WebGLを使うのは〇作のみ」のように現存を前提にした記述があり、木が消えるたび古びる。

横展開:最重要はmori──同じ系譜の後継二代が同じ死因で死に初代だけが残る逆転が起きており、次に点検すべき筆頭。次にshiosai2──今回ユーザーが明示的に残したため、巻二を通じて初めて「親が死んで後継が生きている」形になった系譜。加えて今回死んだ五作(たまご・むれ・ひびき・かげふみ・すみか)が共有する「60〜90秒・世界ランキングつき・単発スコア」という器は、現存作の大半が今も共有している。器そのものが死因だと断ずる根拠は無いが、器が同じである以上「その動詞が面白いか」でしか差がついておらず、これは教訓(二)の工程が要るという結論をもう一度指している。

継いだもの:しおさい→しおさい2(ユーザー指定で残存)。shinshimaの影マップの型→tsuriai。mure・shinshimaの技法→技術学。五作の設計書→docs/要件定義-*.md(削除しない)。

巻三 ─ 伐る前に己に問う